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第4話に入る前に…

第4話に入る前に…
第4話に入る前に…
志賀ちゃんからのお知らせですf^_^;


自分が出演しております…映画『今、僕は』
が国内外から称賛を浴び、この度日本での公開日が…

2/14(土)〜渋谷アップリンクから全国随時のロードショーに決まりました〓〓〓

そして公開初日の2/14には初日舞台挨拶があります〓

17:00〜

20:45〜です。


…素晴らしい映画に仕上がっています…限りなく自主に近い映画なので、監督、キャスト、スタッフと密な共同作業のもと、妥協を許さず納得行くまで何テイクも徹底的に撮り直し、最高1シーンに100テイク近くまでやり抜くシーンもあった程でして…リアルな世界を追い求めた結果、いっさいの音楽を排除しても観れるとてもライヴ感に溢れる作品になっています〓〓〓


これは、この映画に関わるすべての人の情熱から生まれたモノだと思っていますし、日本で沢山の方々に観て頂きたく思いますm(__)m

イギリスのレインダンス映画祭ではチケットが完売し、
『絶対的な意思の力によって偉大な作品を作り出す新種の映画製作者に、私は興奮させられている』

『キアロスタミ、アンゲロプロスを彷彿とさせる映像美』

な〜んて批評を受けた
『今、僕は』は…
2/14ついに渋谷アップリンクにてロードショーです〓〓〓


以下詳細を簡単に…

竹馬靖具初監督作品
『今、僕は』
出演:竹馬靖具、藤澤よしはる、弁、志賀正人
2009年2月14日〜
17:00〜/20:45〜
渋谷アップリンクXにて(約一ヶ月くらい)
※初日は舞台挨拶がございます〓〓〓

『今、僕は』公式ホームページ
http://www.ima-bokuwa.com/

前売券は劇場、渋谷TSUTAYAにて、絶賛発売中です〓
また、自分に直接会える方は自分からも買えます〓


初日以外にも、連日映画監督や映画プロデューサーを招いてのトークショーをやる予定らしぃので、初日来られない方もその他の日にちにてご来場をお待ちしております〓〓〓


是非沢山の方々に観て頂きたい作品です〓〓〓
応援よろしくお願いしま〜っす(^O^)/

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第3話終了☆

『メビウスの輪』第3話まで終了致しました(^O^)

なんだか、物凄い展開になってまいりました…

昼ドラを凌ぐ愛憎劇

大麻が横行する感染家族

一家に本当の幸せは訪れるのか

それとも、一家心中なんて悲劇の結末を迎えるのか

第4話に期待です

期待です。。。

さて、小説を更新しつつ、2月には各メンバーがそれぞれに活躍致しますのでお知らせさせて下さい☆

コジ出演

劇団虎の子プロデュース『タイムトラブル齢30』@渋谷ギャラリール・デコ

※各公演時間帯・料金異なりますのでご注意ください。

2月11(水)19:30 ¥3,000-

2月12(木)14:30 ¥2,500-

2月13(金)12:00 ¥2,500-

2月14(土)14:30 ¥3,000-

2月15(日)12:00 ¥3,000-

詳しくは劇団虎の子ホームページ

http://www.toranoko.info/modules/cont1/

にてご確認下さい(*^^)v

あだっち・ファンタ・志賀ちゃん出演

Flag ship produce vol.2『世界で一番のバカ』@笹塚BBS

2月27(金) 

完全入札制により、入場無料です!

詳しくは、また後日発表いたします\(~o~)/

それでは、第4話ご期待下さい☆

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『メビウスの輪』vol.15 音有勇第3話

『メビウスの輪』vol.15<br />
 音有勇第3話
〜手袋〜


妻がいなくなってから家の事を妻の様にこなす娘百合。

…特に食事の時に使う箸の使い方を見ているとつい妻を想像してしまう。

…容姿も妻にそっくりになってきてふと妻と勘違いするぐらいで、とても嬉しかった。
…妻のDNAを受け継いでいる子供がいる事は唯一の救いだった。

しかし頑固者の俺は態度には現さず、ヒステリックな廃人を演じ続けていた…。


エミリーは編み物が趣味で、良く百合に教えては二人仲良く楽しんでいた。


…そして百合が初めて編み上げた自慢の手袋が、ある日玄関に置き去りにされているのを見つけた。

…なんだか胸騒ぎがする。

その悪い予感は的中してしまう。

…その日夜遅くなっても中々百合が帰ってこなぃ。

…心配で心配でたまらなぃ。
これで娘まで失う事になったら…俺はどうやって生きて行けばいいのだろう。

…しかし健次、裕三に知られまいと冷静を装い玄関近くでこっそりと帰りを待っていた…。


手袋を良く見ると中に手紙の様な紙切れが入っていた…その手紙を開くと百合の字で
『GIVE ME,わたあめ』
と書いてあった。


そういえば、食後恒例のアメリカンクラッカーをやったあと、ざらめ糖ダケでわたあめが作れる事を知っていた俺は、子供達を喜ばせようと実験的にわたあめを作った事があった。
…思いの他うまく作れたので調子に乗ってたくさん作った。
…みんな凄く喜んで食べてくれてなんだか鼻が高かった。

今思うと、あの頃が一番幸福に囲まれていた時間だったのカモしれなぃ。
百合はどんな想いでこんな紙切れを手袋に入れていたのだろう…なんだか自然と涙がこぼれ落ちた…。


と、その瞬間玄関のドアが激しく開き、現実に引き戻された。


…百合が裸足で勢いよく入って来た。
…激しい安堵と共に、


「何時だと思ってるんだ!こんなマニキュアまで塗って!! 」


とっさにそんな台詞を吐き捨て気がつくと百合の頬をパチンと叩いていた…


「心配かけやがって。」


ぼそっと俺は呟くと、百合は頬を叩かれた痛さというより、むしろ嬉しそうにこちらを向き声を上げて泣きだした…そんな百合を俺は強く抱きしめ、百合はしばらく泣き崩れた。
自分は涙を見せまいと必死に涙をこらえていた。

妻への暴力を見て怯えていた子供達には俺は決して手は出さなかったが、
衝動的ではあったが、時に『愛のムチ』は家族の絆を強くするもんなのかと、この時始めてわかった。
そして、かけがえのなぃ宝物…娘の暖かさを肌で感じた瞬間でもあった。


次の日、弟の誠が大麻の所持と栽培で逮捕された。
公開された禁断の部屋には大量の大麻草、

そして『吉原』と貼紙が貼られた鮮やかなピンク色のカーテンの奥は…
あのエミリーがいた吉原の『LOVE&PEACE』の一室が忠実に再現されており、
若い頃のエミリーのはにかんだ写真、
弟とのツーショット写真、
手紙があった…その手紙から漆の箸と箸箱が誠によるプレゼントだという事がわかった。

…そして、以前エミリーからストーカーみたいなお客さんがいて怖いと相談を受けていた事、
弟を毛嫌いしていた事、
すべてが気持ち悪いくらい弟の言動と一致した時、
昨夜の娘との交流で、自分の中でようやく溶け始めて来た心が、今まで以上に深い深い所へと閉ざす様になってしまった。

ショックのあまり何もする気になれなかった…生きる気力もなく、かといって自殺する勇気もなく、子供達には変わらない様に映ったカモしれないが、演じるのでは無く間違いなくリアルな廃人になってしまった。


それからの記憶が凄く曖昧だ。
…すっかり気力を失ってしまった俺は医者を休業し、
家に篭り出した…確かすぐに長男の健次が出て行き、
末っ子の裕三を実の父親に引き取ってもらぃ、

いつの間にか百合もいなくなって…。


それから俺は一人ぼっち。

のはずなんだけれど、
なんだか誰かに守られている様な…
一人ではない様な…
そんな不思議な感覚で日々を過ごしていた…。


次回はvol.16
深作健次の物語
第4話『ひらめき』です。

お楽しみにっ(^_-)-☆

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『メビウスの輪』vol.14 山口祐三 第3話

081225_013020~Sorry~


あの日からだ。


「本当の家族じゃない」

そう、知った日から。

僕は思った事を、伝えたい事を言葉にできなくなった。

かわりに、もう一人の僕が出て来た。


まただ。またやってしまったんだ。

全員の目が僕に向けられている。


聞こえてはいるんだけど話しているのは僕じゃない。

彼だ。

『ソーリー。』

もう一人の僕。

彼のしゃべる言葉は日本語でも英語でもなく、感情。

僕の感情。

感じているのは僕。

しゃべっているのはソーリー。

すこしの感情の浮き沈みを意味不明な言語で伝えようとする

「誰も理解できない」

母さんが出て行った日から突如現われた。

どっちが本物の僕?


本物の家族?

偽物の家族?

コカコーラ?

ドンキのコーラ?


何が本物?

僕の父さんはほかの人。だから、偽物の家族?

ドンキのコーラはフィギアがついていない。だから偽物のコーラ?

感じる僕。

しゃべる僕。

どっちが本物?

僕は、父さんの事が好きだった。兄さんの事を褒めてる父さん。僕も父さに褒められたかった。

僕は、兄さんを尊敬していた。何でも器用にこなす兄さん。兄さんのようになりたかった。

僕は姉さんの笑顔が好きだった。あと、姉さんのくれるドンキのコーラも。


母さん、僕は‥‥

あの日、母さんが僕に

「ごめんね。」

と告げていなくなったクリスマスのあの日。

僕の10才の誕生日だった。

母さん、僕は‥。

「ごめんね」よりも「愛してる」と言って欲しかった。


次回はvol.15
音有勇の物語第三話
「手袋」 です。

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『メビウスの輪』vol.13 吉永百合第3話

vol.14 吉永百合第3話
〜トンネル〜

まただ‥

そう思い私は小さく溜め息をついた。

いつも感じていたこの空気‥。

母がいなくなってから、父は廃人のように母の名前を呟き私達兄弟には身向きもしない。
私は母の代わりを努めようと必死だった。

学校行きながら家事をこなした。

母がいなくともまず家庭を壊したくなかった‥。

しかし‥
家族は誰も『家族』に興味を抱かない‥

私は母のようになりたかった。
母はいつも笑っていた。

みんなが笑っていないと母が帰って来てくれないと思った。
いや、母が帰ってくるかどうかより、母がいた時のような明るい家族でいたかった。

しかしまだ子供だった私が家族とはなんぞや。とみんなに語れるわけもなく、でも必死に私なりの持論でみんなを説得したかった。
『家族』を語りたいのになぜか私は
首なが族、マヤイ族さらに暴走族。
たくさんの族の話をした。

しかしみんなの耳には届かなかった‥。
母がいなくなってからというもの、マンツーマンでかわいがってきた祐三すら、「シスター族違いでゾクゾクするよ」というしまつ。
家族の溝は深まるばかり‥。

その中誠おじさんだけは違った。
母がいなくなってから頻繁に出入りするようになったまこちゃん。いや誠おじさん。

私がしゃべる事に日本人とは思えないリアクション、作るものにはおいしいおいしいと言ってくれた。

誠おじさんだけは私を母の代わりと認めてくれていたようだった‥。

そうあの時までは私は唯一の理解者だと思っていた。

母がいなくなってからしばらく経った頃、まこちゃんは私をあの酒蔵に頻繁に連れて行った。
酒蔵の奥には小さなトンネルがあり、くぐり抜けると見慣れぬドアがあった。

入るとそこは緑が茂るが異様な空気が流れていた、おじさんはおもむろにタバコのようなものを吸い始めた。

私にも必用なまでにすすめてきた。

『タバコはハタチになってからJAからのお知らせです』
タバコを吸う母に吸ってみたいと言うといつも言われていたので断り続けた。

そして、何度目だろう異空間へのトンネルをくぐり抜け酒蔵の奥のジャングルに連れてこられ、タバコのようなものをすすめられたある日。
私が断るとおじさんはとても悲しそうな顔をした。
私を唯一認めてくれているおじさんまで離れていってしまう気がした。

そして一服、二服‥。
私は吸い込んだ。
すると、だんだん目が回って来て世界がキラキラしてきた。

するとおじさんもいつものように腹踊りをしながら赤いマニキュアを自分の爪に塗りだした。

そして私にも‥
小さく『サノバビッチ』と呟くとおじさんは息を荒くして
部屋の奥にあるピンクのカーテンに遮られた場所に私を連れて行った‥

カーテンには『吉原』と書かれたボロボロの紙がセロハンテープで貼られていた。

ピンク色の鮮やかさと紙のボロボロさが異質感をよりいっそう際立たせた。

カーテンをくぐると、強すぎる石鹸の匂いが鼻をついた。
そこには何故か金色の椅子があった。

そして母の写真が貼られていた。

するとおじさんは『シッダーウン♪』そう言った。もちろん歌い踊りながら‥

私も楽しくなってきて小躍りし始めた。
その時のおじさんは一人リオのカーニバルだった‥。

そのおじさんの表情で思い出した。
家の庭から母を見つめる純心でいて醜くもあり何かに欲情しているかのようでいて晴れ晴れしい顔をした人。
そうそれがおじさんだった。

それのすべてが繋がった時、私は愕然とした。

おじさんの今までの優しさは、私と母を重ねて見ていたからだった。
そう気付いてしまった‥。

吸うといつも私をエイミーと呼ぶのも全部分かってた。

そしておじさんのリオのカーニバルの艶やかさとは裏腹に私の心は祭りの後の静けさの様だった。
やけになり何本もの大麻を吸った。

そしておじさんが眠りについてしまい私はラリラリで歌いながら帰った。
帰りに通ったトンネルの暗闇はいつまでも明けない空に感じた。

もう深夜だったのだろう。
周りの家は電気も消え、私には何もないと言われているようで私の心は益々寂しくなった。

家のドアを開けると玄関にはダディがいた。

「何時だと思ってるんだ!こんなマニキュアまで塗って!! 」

そう言うと私の頬をパチンと叩いた。

私は辛かったのと怖かったのと何よりダディが私を怒ってくれたのが嬉しくてまた声を上げて泣いた。

すると奥から祐三が出てきて「シスター‥」
と大好きな安コーラ(ドン・キホーテで49円)をくれた。
私は一人なんかじゃない。
そう初めて思えた瞬間だった。

次の日酒蔵にはパトカーが止まっていた。
私が歌っていた歌詞に問題があったようだけど、その時の私には知る由もなかった。
そしておじさんは刑務所に入ってしまった‥。
あの吸っていたものが大麻だったと知ったのはつい最近だった。
いけない事だけど大麻を吸ったおじさんは輝いていた。

その事件のあとも私達家族は何事もなかったように、生活していた。

でも私は変わった。
強くなれた。
なんだかんだ言ってみんな私を必要としてくれている。
そう思えた。

ダディはいつもうわの空。私の頼りの兄は家を出ていった。
弟は引きこもりがちだが私とは少し会話をしてくれた。

バラバラだけど私は自分の居場所を見つける事が出来たと思ってる。

いつか私の家族もトンネルを抜ける日が来ると信じてる。
終りなきトンネルなどないはずなのだから。

次は
vol.15 山口祐三 第3話
『sorry』

お楽しみに☆

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『メビウスの輪』vol.12 音無誠 第3話

『メビウスの輪』vol.12 音無誠 第3話
〜その渓流〜


家の近くには
緩やかに流れる川がある
その渓流には
僕の秘密の場所がある…

高校は冬休みに入る前に
退学していた
家をでて
トムの所に転がり込み
住み込みで働かせてもらった

『love&Peace』
のエミリーと頻繁に逢うようになった

娼婦のエミリーとは
店以外でも逢うようになり
街に一件しかない
バガーショップでよく
待ち合わせをした

ハンバーガーを箸で食べる
ちょっと変わったエミリー

幼い頃日本にきた彼女は
両親から
早く日本文化に慣れるよう
食事は箸を使わされていたようだ

外国人が器用に箸を使う…
そんなギャップに
僕はメロメロだった

僕は輪島塗の箸箱と箸を
エミリーにプレゼントした

彼女は凄く喜んでくれた

二人の愛は永遠に続く気がした…


僕が19歳の夏

エミリーが消えた
連絡も取れず
店も辞めていた

その日、途方にくれて
レストランに帰ると
トムが警察に連れていかれる
ところだった

大麻栽培、所持…

何も知らなかった僕も
事情聴取の為警察に連れたが
直ぐに解放された

しばらくして
父が身元引受人で迎えに
来てくれた

帰り道
父の運転する車内には
重い空気が佇んでいた

突然のエミリーの失踪
トムの逮捕
今後の自分の事
いろいろありすぎて
どうにかなりそうだった

そんな時
父がゆっくり話しかけてきた

『酒蔵を継いで欲しい…』と

兄さんが酒蔵を継がず
独立して医者になったことを
聞かされた

初めて父に
頼み事をされ驚いたが
少し嬉しかった

田舎では就職は厳しい
高校中退の僕ではなおさらだ

少し救われた気がした

そしてなにより
母が大事にしていた酒蔵だ

僕は小さい声で
『わかった、酒蔵を継ぐよ』
と答えた

その時の父の顔は
今まで見せた事のない
優しい顔だった…

実家に戻り一年
ようやく酒蔵の仕事にも慣れ
エミリーの事も忘れかけていた

兄さんは忙しいのか
正月しか実家に顔をださない

それが
ある残暑厳しい夏の終わりに
兄さんが実家に帰ってきた

一人の女性を連れて…


その女性はなんと
エイドリアン・エミリーだった
二人は結婚の報告にきたのだ

目の前が真っ暗になり
倒れそうになった

幸せそうに会話する二人

エミリーは
僕には魅せたことない
笑顔で兄さんを見つめている

兄さんへの嫉妬
エミリーへの………

この日を境に
僕は崩れていった…


酒蔵の奥の部屋で
誰も居なくなったトムのレストランから隠しあった
大麻を持ってきて栽培をした

現実から
自分から
エミリーから逃れるために…


二人の間には直ぐに
子供が産まれた

健二、百合、そして裕三

僕を傷つけた二人の子供達…

だが
僕は百合だけは異常なまでに可愛いがった
エミリーに似ていたからだ

僕の秘密の部屋にも
百合だけは入れていた

30過ぎの僕は
すべてをさらけ出した

エミリーと幼い百合を
重ねていたのだろう…

百合が10歳のとき
家族の前から
エミリーは突然姿を消した

突然の出来事で
兄さんの家族たち
は戸惑った

僕は、心の中で
微笑んだ…

エミリーが居なくなり
寂しがっていた
幼い百合に
大麻を吸わせた…

復讐のために…

その百合が
『YO!YO!誠おじちゃん
葉っぱ作って!吸って!ラリってる〜HEY サノバビッチ!』
と、外国人の血のせいか
大麻のせいか
百合は変な歌にして
近所のおばちゃんたちに
自慢の歌声を披露していた

しばらくして
捜査が入り
僕は警察のお世話になる事に…

4年後寒い朝
罪を償って戻ってきた

自分の弱さを反省した
兄さんの家族たちにすまない気持ちでいっぱいだった

新しくやり直そうと思っていたが
田舎町は、家族は冷たかった…


何かあると
僕は家の近くの渓流にある
大きなもみじの木の下にいく

紅葉が真っ最中
燃えるような赤々した葉
それはまるで
『真っ赤なマニキュア』のようだった…

ここは
母が好きだった場所…
そして
母が眠る場所…

川の流れは
静かに流れ
僕の心を癒やしてくれる…


次は
vol.13 吉永百合 第3話
『トンネル』

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『メビウスの輪』 vol.11 深作健次 第3話

Img_jinja ~大声~


「サノバビッチ」


部屋に戻ると、小さい声でそう呟くのが聞こえた。

ふと走馬灯のように、あの日の記憶が蘇った。


「サノバビッチ!」

これは母の口癖だった。


何かあると、口から出ていた。
時に荒々しく、時に陽気に。

『ボサノバ』の陽気な響きに、『bitch!』という汚い言葉を組み合わせたこの言葉を、きっと使い方は間違えているだろうが、母は上手に使いこなしていた。


日に日にサノバビッチの回数は増え。1000サノバビッチを超えた辺りで母は居なくなった。


いつしか、サノバビッチは妹に受け継がれていた。
というよりは、妹が見よう見まねで始めたものだったが、いつしか口癖になっていた。


妹のサノバビッチの発音や雰囲気は、母にそっくりだった。


母が居なくなってしばらくして、妹のサノバビッチが上達し、5回に1回くらいしか噛まなくなった頃だろうか、叔父さんが頻繁に家に出入りするようになった。

厳密に言うと、叔父さんが頻繁に妹を連れ出すようになった。

叔父さんが祖父から酒蔵を完全に任されるようになった頃、酒蔵には『開かずの間』というのができた。
それまで、自由奔放・縦横無尽に酒蔵を走り回る事が許されていたのに、急に叔父さんは態度を変え、僕と弟は日中の限られた時間以外酒蔵に入るのを禁止した。妹だけは別だった。


今まで『愛され体質』で生きてきた僕が、人生で初めて差別を受け、自分以上に愛されている者の存在に気付いた瞬間だった。


僕は酒蔵の近くにある、神社の境内で泣いた。

後にも先にも、大声を上げて泣いたのは、この一度きりだ。


10歳の春だった。


次回
vol.13 音無 誠 第3話
~その渓流~

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